精密根管治療 (マイクロエンド)6年経過症例
虫歯の治療は、その虫歯の深さによって様々な治療方法があります。
神経まで虫歯が及ぶ場合、根管治療(いわゆる神経の治療)が必要になります。
歯の構造を単純化するとこのようなイメージですが、
実際の歯の内部構造は個人差が大きく、かなり複雑な形状をしています。
細菌感染した歯の内部は、肉眼で細部の確認が難しく、器具の到達範囲が制限される場合があります。(もちろん、これで治癒することもあります)
しかし数年経ち、根管治療をした歯に膿が溜まり、治療したはずの根が噛むと痛くなることがあります。その理由の多くは、複雑さゆえに除去できなかった感染部位の残存です。
顕微鏡を用いた根管治療のメリットは大きく2つ。
① 感染部位の徹底除去が可能
② 健全歯質を削らずに処置が可能
結果として、一度治療して治らず抜歯しかないと診断された歯でも、ご自身の歯として残し、長く機能させられる場合が多いです。
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一つ症例をご紹介します。
治療前
数年前に一度根管治療をしたとのことですが、ここ数ヶ月、噛むたびに違和感を生じており、急に痛みが強くなったとのこと。CTを撮影したところ、3本の根全てに膿がたまり、骨が溶けて上顎洞と交通し、強い痛みを生じていた状態でした。
当院にて、顕微鏡下にて精密根管治療後、現在6年経過
膿が溜まっていた範囲は骨に置き換わり、炎症は消失。その後は痛みなく、奥歯でしっかりものを食べれるとのことです。
顕微鏡治療は、状態が悪い歯を残すために、非常に有効な治療法の一つです。治療した歯が痛い、そんな方がいらしたら、是非一度ご相談ください。
上大岡院長 池